Bose QuietComfort Ultra(第2世代)レビュー|Boseの最新フラグシップの実力は?シネマモードの魅力とプロジェクターとのシナジー

先に結論
- 第2世代(V2)を選んだ理由と決め手
- スペックや付属品、有線接続・アプリのイコライザー機能
- シネマモードがプロジェクター映画で効くのか
- 音質と低音の傾向(ベース奏者の視点)
- ノイズキャンセリングやマルチポイントの使い勝手
- 長時間の蒸れなど気になった点
自宅でプロジェクター映画をよく観る人、ロックなど低音重視の音楽が好きな人、iPhoneとMacなど複数端末を使い分ける人、AirPods Proの長時間装着で耳が痛くなる人におすすめです。
私はふだん、3つの機器で音楽を聴いています。ワイヤレスイヤホン(AirPods Pro)、開放型有線ヘッドホン(AKG K701)、そしてワイヤレスヘッドホン(Bose QuietComfort Ultra(2世代))です。
この記事では、AirPods Pro中心の生活からヘッドホン導入に至った経緯、なぜ数あるノイズキャンセリングヘッドホンの中でBose QuietComfort Ultra(第2世代)を選んだのか、スペックや付属品、音質や装着感、シネマモードは映画で本当に効くのか、そして気になった点まで書いていきます。(※以降、QuietComfort Ultraの第2世代を「V2」、第1世代を「V1」と便宜上表記します)
Boseと私の歴史
Boseというブランドに、私は昔から個人的な信頼を置いています。きっかけは高校時代に使っていたBoseの有線イヤホンでした。高校時代のある日、クラスメイトが妙な白黒縞々のコードに、変なシリコンのツノが生えたイヤーピースという、なかなかキテレツな見た目のイヤホンを持ってきました。試しに使わせてもらったところ、当時懐かしのiPod付属のイヤホンを使っていた私は、あまりの高音質、あまりに充実した重低音に衝撃を受けたのが出会いです。バイト禁止であったので親に頼み込んでどうにか買ってもらい、結局そのイヤホンは皮膜が劣化して破れるまで、5年ほど使ったと思います。
めちゃくちゃ懐かしい。
その原体験があるので、音の面ではBoseなら大きく外さないだろう、という前提が自分の中にありました。今回ヘッドホンを探すときも、候補の中心には自然とBoseがいました。
なぜQuietComfort Ultra(第2世代)を選んだのか
ヘッドホンを探し始めた背景には、手持ちの機材では埋められない隙間がありました。順を追って書きます。
1. 家の中を移動しながら使える一台が欲しかった
私はもともと開放型のAKG K701を持っています。もう10年以上使っており、何度もイヤーパッドを交換し、何度も断線するたびにはんだ付けして直して使ってきた実家のような安心感の、非常に装着感もいいヘッドホンです。ただ、これはオーディオインターフェース経由でデスクに固定して使う運用です。ケーブルに縛られるので、家の中を移動しながら音楽を聴くには向きません。デスクに座っているとき以外でも、しっかりした音で聴ける一台が欲しかったのが出発点です。
2. 長時間つけても耳が痛くならないこと
持ち運び用や、家でも料理など家事をする時やノイキャン目的で使う時はAirPods Proを使っていました。私は結構常になんらかのメディアを再生しており、AirPodsが耳にはまっている時間は相当なものです。決して私の耳に全然合わないということはないのですが、それでも流石に何時間もつけていると、多少耳が痛くなってきます。そこで、ワイヤレスヘッドホンを買って適宜使い分けてはどうか、スピーカー部分も大きいので音質向上もついでに期待できるのではないか、という考えに至り、市場を漁り始めました。
3. きっかけはコストコでの試聴、V1 vs V2の決め手はシネマモード
そんな中で、直接の引き金となったのは、コストコで型落ちのV1が試聴販売されていたことでした。実際に装着してみて、これは良い、さすがはBoseと素直に感じました。買おうかと考えていたところで、後継のV2には新たにシネマモードが搭載されていることを知ります。自宅でプロジェクターで映画を観る私には、こちらの方が用途に合うと判断しました。
あとはタイミングです。「良いものを買って長く使う」というのが私の買い方なので、値段が下がるのを待ち、Amazonのセールで手に入れました。(V1は店頭で試聴しただけで、V2と使い比べたわけではありません。念のため)
カラバリは意外とあります。最近白系のガジェットに好みがシフトしているので、ホワイトは魅力的だったのですが、長期使用で黄ばんだら嫌だな…と感じて無難に黒にしました。
スペックと付属品
基本情報をまとめておきます。Bluetoothだけでなく有線接続もでき、キャリーケースなどの付属品も一通り揃っています。低音・中音・高音を自分好みに調整できるアプリのイコライザー機能もついています。
| 重量 | 約260g |
| 連続再生時間 | 最大30時間 イマーシブ時23時間 |
| 充電時間 | 約3時間 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
| 有線接続 | USB-C 3.5mm(2.5mm変換) |
| 付属品 | キャリーケース USB-Cケーブル オーディオケーブル セーフティシート |
| アプリ機能 | イコライザー調整 (低音・中音・高音) |
こんなにコンパクトに収まる
iPhoneと比べると流石にそれなりの大きさはある
Bose QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)
良かった点
音質と低音、ベースを弾く人間が感じた再現性
私はベースを弾くので、低音には一家言あります。しかしそこは信頼と安心と低音のBose、V2の音は、低音がしっかり出ながら全体のバランスも崩れない、というのが率直な印象です。低音が主張しすぎて他の帯域を潰す、という鳴り方ではありませんでした。昔使っていたイヤホンよりこの辺のトレブル(高音)との兼ね合いがより改善しているように思われます。
開放型AKG K701と併用してわかった、密閉ワイヤレスの役割
手持ちのAKG K701は開放型で、音の傾向がQC V2とはかなり対照的です。どちらも高品質なヘッドホンですが、強いていうなら(あくまで私の感覚ですが、)K701はクラシックのような繊細な曲を細部まで聴くのに向いていて、QC V2は重厚な曲を気持ちよく鳴らすのに向いています。AKGとBoseのブランドによる帯域の解釈の違いかもしれませんけどね。
この二台は競合しませんでした。むしろ役割が分かれます。腰を据えて軽やかな装着感で音を追うときはデスクのK701、家の中を動きながら、あるいは映画や重めの音楽を楽しむときはQC V2、という使い分けに落ち着いています。またノイズキャンセルモードにしてしっかりと外音を遮断することで細部まで聞き取ることができるという密閉型のワイヤレスにより向いた仕事があると分かったのは、思わぬ収穫でした。
ロックや重低音の曲での鳴り方
ロックのように低音が土台になる曲では、QC V2の性格がよく出ます。ベースやバスドラムの沈み込みに量感があり、聴いていて気持ちがいい。低音好きの耳にはうれしいチューニングだと思います。
一方で、この鳴り方が万人に最適とは限りません。ひたすら原音に忠実な、フラットな再生を求める人には、少し味付けが濃いと感じられるかもしれません。そこは好みの分かれるところです。とはいえ、オールラウンドに使えるヘッドホンでもあるので、案ずることはありません。
イマーシブオーディオの臨場感
これは事前の調べで売りの一つと知っていながら、あまりピンときていなかったのですが、この臨場感と立体感は実際に使ってみて驚愕したところです。これまで聴いていた楽曲をこのモードで聴くと、また全然違った表情を見せるので、もしこのヘッドホンを試す機会があったら、買うことがあったらお気に入りの曲をこのモードで聴いてみてもらいたいと思います。
シネマモード×プロジェクターで映画を観たら
音質面の良さに加えて、V2を選んだ決め手でもあったシネマモードも、自宅のプロジェクターで実際に使ってみました。
まず前提として、V2にはイマーシブオーディオという、音を頭の中ではなく前方の空間へ広げて聴かせる機能があります。シネマモードはその上で、人の声や効果音を明瞭に前へ立たせるモードだと理解しています。(正式な仕様はBose公式でご確認ください)
プロジェクターの大きな画面と組み合わせると、この「声が前に出る」感覚が効きました。セリフや効果音がより明瞭になることで、より臨場感が高まると同時に没入感が高まります。映画館のスピーカーのように、腹に伝わる振動こそありませんが、強調する音の取捨選択は映画館のそれに近いように感じます。ヘッドホンにありがちな、セリフと効果音とBGMが均一にのっぺりと一つの塊として耳に届けられるという感覚ではありません。
とはいえ、もちろん本物のサラウンドスピーカーを組んで爆音を鳴らせる環境と同じとはいかないとは思います。先述のように、体を伝う振動や空気の震えのようなものは発生しませんからね。しかし、ヘッドホン一つでここまで映画館寄りの体験になるなら、オーディオマニアだけでなく、映画好きが狙って買う価値も十分にあると感じました。特に賃貸などで大きな音を出すのが憚られる環境ではその実力を遺憾無く発揮してくれることでしょう。
ノイズキャンセリング・外音取り込み・マルチポイントの使い勝手
ノイズキャンセリングは、さすがBoseというべき効きの良さでした。前述の通り、環境音がすっと引いて、音楽や映画に集中できます。数値で示せる話ではありませんが、体感としての静けさは十分にありました。
外音取り込みも実用的です。使い慣れたAirPods Proと比べても遜色なく、つけたまま短い会話をするくらいなら問題ありません。
地味に助かっているのがマルチポイント接続です。iPhoneとMacの両方につないでおくと、音を出した方へ自然に切り替わってくれます。デバイスをまたいで使う人には、この手軽さは効いてきます。(正式な対応仕様はBose公式でご確認ください)
操作性の良さ
操作は二つだけ。右イヤーカップにあるボタンでモードの切り替えができます。また右イヤーカップにあるボリュームストリップ(わずかな線状の突起)をなぞると、ここにタッチセンサーがあるようで、直感的にボリュームを操作することができます。またアプリで設定することで、この部分を長押しすると動作するコマンドを割り振ることもできます。
細い線がボリュームストリップ。
漢は黙ってドンシャリや。
高級感のある質感
装着感や音質だけでなく、質感の良さもV2の魅力です。ボディの金属調パーツはV1よりも艶が増していて、手に取ったときの高級感がひとつ上がっている印象を受けました。(先述の通りV1は店頭で少し触った程度なので、あくまでそのときの記憶との比較です。)
耳当てやヘッドバンドパッドの部分も、もちもちとした弾力があってスムーズな触り心地です。密閉型ゆえの着用に伴う圧迫感が軽減されています。
気になった点
良いところばかりではありません。使っていて気になった点も正直に書いておきます。
長時間の蒸れ
長時間つけているとシリコンの耳当てで耳が蒸れることです。装着感そのものは柔らかくて良いのですが、密閉している以上、時間がたつと内側に熱がこもります。同じ長時間でも、AKG K701の布製イヤーパッドではこの蒸れを感じないので、素材による差だと思います。(私は肌が強くない方なので、より強く感じるだけかもしれない、ということは添えておきます。)
価格
決して安い買い物ではありません。ただ、Sonyの同クラス機とは同じくらいですし、Apple AirPods Maxは随分上の価格になりますし、そういった競合と並べて考えたとき、決して劣る性能ではなく、妥当感はある値段ではないかとは感じました。(Sonyやそのほかの機種の実機を持っているわけではないので、あくまで価格を並べたうえでの印象です)
余談
余談ですが、私が家で使っているBose製品はこれだけではありません。家で吊り下げて使っているBoseのスピーカーの話は、また別の記事で書ければと思います。
どんな人におすすめか、どんな人には向かないか
ここまでを踏まえて、向き不向きを整理します。
おすすめできるのは、高音質のヘッドホンで臨場感ある音楽を楽しみたい人、特に低音が好きな人でしょう。そして、自宅でプロジェクターなどを使って映画をよく観る人にも強く勧めたいところです。シネマモードは、まさにこの用途で買う価値があります。高品位なノイキャン機能が欲しい人やiPhoneとMacなど複数の端末を行き来する人にも合うと思います。買うなら、Amazonのセールを狙うとコスパよく手に入れられます。
逆に、あくまで原音に忠実なフラットな音を最優先する人や、長時間の連続使用で蒸れを避けたい人には、素直におすすめしにくいところがあります。使い方がデスク周りで完結しているなら、無理にワイヤレスにする必要もないでしょう。自分の環境に照らして選ぶのがよいと思います。
まとめ
Bose QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)は、私にとって「家の中のどこでも、映画も音楽も一段良くしてくれる一台」になりました。低音の鳴り方も好みに合っていますし、決め手の一つだったシネマモードもプロジェクター鑑賞にちゃんと効きました。
蒸れや価格といった気になる点はあります。それでも、良いものを長く使うという自分の買い方には、よく応えてくれる相棒です。開放型のK701と役割を分けながら、これからしばらく付き合っていくつもりです。今使い始めて半年ですが、より長期で使ったときのバッテリーのへたりやハード面の劣化の有無についてはまた追って報告します。
Bose QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)




