パンテラ160 ポータブル レビュー|不朽の名作ポータブルランプの実力 V2・V3の違いも併せて解説

📝 この記事でわかること
- パンテラ160 ポータブルの実際の使用感
- V2とV3の違い
- 良い点と正直なデメリット
- (おまけ)150周年アニバーサリーエディションの魅力
🙋 この記事がおすすめの人
- デザイナー家具の一つ目を検討している人
- コードレスで置き場所を選べるデザイン照明を探している人
- パンテラ ポータブルのV2とV3で迷っている人
- 真鍮トップの限定モデルが気になっている人
- 長く愛せる名作インテリアが好きな人
ルイスポールセン(louis poulsen)のパンテラ(Panthella)をご存知でしょうか。インテリアに興味がある方なら誰もが知っている、そうでない方もきっとどこかで一度は目にしたことがある、デザイナー照明の不朽の名作です。
実は、2024年、インテリアに興味を持ち始めた私が初めて購入した北欧デザイナー家具もパンテラ160でした。当時ルイスポールセン150周年記念で限定発売されたモデルです。
この記事では、パンテラという名作ランプの歴史を含めた解説から始めて、なぜこの限定モデルを選んだのか、バージョンによる違い(V1〜V3の比較表つき)、競合として迷ったランプ、そして良い点・少し気になった点まで書いていきます。
パンテラとは
パンテラは、デンマークのデザイナー、ヴェルナー・パントン(Verner Panton)が1971年に手がけた照明です。半世紀以上も愛され続けている名作で、もとは大ぶりなテーブル/フロアランプとして生まれました。キノコを連想させるような特徴的なシルエットは、インパクトがありつつも、不思議と部屋にスッと馴染む二面性を持っています。
最大の特徴は、シェード(傘)だけでなく、支柱からベース(土台)までの全体が光を反射する「リフレクター」として機能する点です。あの有機的でなめらかな曲線は、美しいだけでなく、光をやわらかく拡散させる機能も兼ねています。ミニマルなデザインながら、美しさと機能が分かちがたく結びついているところに、私は大きな魅力を感じます。
そして2020年、これまでは電源コード付きのモデルのみだったこの名作を、コードレスで持ち運べるサイズに落とし込んだ「160 ポータブル」が満を持して誕生しました。今現在、私が使っているのは、このポータブルの限定モデルです。
パンテラにはバリエーションがある
余談ですが、パンテラはこの160 ポータブルだけではありません。シリーズとして、いくつものサイズ・形が展開されています。
- ポータブル:160 ポータブル(最小・シェード径16cm)、250 ポータブル
- テーブル:320 テーブル、400 テーブル(電球を使う据え置きタイプ)
- フロア:床置きのフロアランプもあります
同じデザインのまま、置く場所や用途に合わせた選択肢が用意されています。
豊富な素材やカラーのバリエーション
パンテラ ポータブルには豊富な素材やカラーのバリエーションがあり、自分のインテリアの方向性に応じて色を選べます。白系統で馴染ませるもよし、色物でアクセントカラーと共通点を持たせるもよし、金属ボディで高級感を高めるもよしです。なお、「オパール」と表記されているものは光がシェードを透過し、「オペーク」の表記があるものは光を透過しないため、購入の際には表記に注意が必要です。
私がパンテラを買った理由
2024年、私がインテリアにハマり出した頃、Instagramやピンタレストで部屋の写真を漁っていたところ、おしゃれな部屋の一角にはかなりの高確率でこのキノコ型ランプが生えていることに気づきました。そこで気になって調べてみたのが、パンテラとの出会いでした。
シェードから漏れる優しい光が魅力的で、値段もかろうじて5万円以内に収まっており、10万円以上がザラにあるデザイナー家具の中ではまだ手が出しやすい価格帯に思え、購入を決意しました。
なぜ「アニバーサリーエディション」を選んだのか
さて、購入を決意した私でしたが、調べていくうちに、数ヶ月前に値上げされたらしいという事実を知ることになりました。タイミングの悪さに、一時は購入意欲が減退してしまいました。
しかしそこで、「ルイスポールセン150周年限定アニバーサリーエディションが発売される」という情報を得ました。このモデルは、通常クローム製のトップナット(てっぺんの丸い金属パーツ)が真鍮製です。これまでになかった金色のトップナットは、白色の本体の高級感とかわいらしさを一層引き上げているように感じられました。また、真鍮は使い込むほど風合いが出る素材でもあり、「良いものを長く使う」という私の価値観にも合っていました。
そして、「このモデルは値上げ後に発売されたものなので、値上げ価格でも仕方ないよね」という理論を自分の中で構築し、購入に至りました。
(なお、数ヶ月後、同じ2024年内に点灯時間が延長したにもかかわらず一万円ほど値下げされたV3が発売され、少し微妙な気持ちに・・・)
世代の違い(V1〜V3)を表で整理
ポータブルは2020年の登場以来、改良を重ねてきました。私が持っているのは中間世代のV2、現行はV3です。違いを表にまとめます。
| 項目 | V1(2020年) | V2(2022〜24年) | V3(2024年11月〜・現行) |
|---|---|---|---|
| 操作方法 | 土台のボタン | 土台のボタン | トップナットのタッチ式(明るさロック搭載) |
| 充電端子 | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
| ワイヤレス充電(Qi) | 非対応 | 対応 | 非対応 |
| 連続点灯(100%) | 約5時間 | 約5時間 | 約7.5〜8.5時間 |
| 連続点灯(33%) | 約18時間 | 約18時間 | 約25.5時間 |
| 連続点灯(10%) | 約45時間 | 約45時間 | 約79時間 |
| シェード素材ほか | アクリル系 | アクリル系 | ポリカーボネート(割れにくい) |
| 防塵・防水 | なし | IP44 | IP44 |
V2 vs V3
操作系は、現行V3が明確に優れています。タッチ式で、明るさのロックもできる。物理ボタンの摩耗の心配もありません。さらに連続点灯時間も大幅にアップし、なぜか発売当初の時点でV2より一万円ほど安い(今は少し値上げされていますが、それでもV2より安い)という強みもあります。
一方で、ワイヤレス充電に対応しているのはV2だけという逆転もあります。現状V2の新品在庫はかなり少ないですし、今から買う方は、よほどワイヤレス充電に魅力を感じない限りはV3が良いでしょう。
競合として迷った「Flowerpot VP9」のこと
購入時、&Tradition のFlowerpot VP9も候補に挙がっていました。こちらも同じヴェルナー・パントンのデザインです。フラワーポットは当時からトップナットのタッチ式スイッチで、その点では有利でした。
それでも私がパンテラを選んだのは、読書灯としての用途を重視したからです。パンテラのシェード(オパール表記のもの)は光を透過するため拡散性が高い。一方フラワーポットの金属シェードは直下しか明るくならないので、手元を照らす用途には向きにくいのです。(ちなみに今はパンテラもタッチ式になったので、操作面での差は揃ったことになります。)
とはいえ、Flowerpotも非常に美しく、軸の部分が細く長いため、パンテラと比較してスッとしたスタイリッシュさがあり、魅力的なライトです。パンテラにはない、ペンダントランプもあり、併せて使用することで共通のモチーフを部屋に散りばめることができ、統一感あるインテリアが作れるという強みもあります。Flowerpot VP9も、いつかお迎えしたいと思っているライトです。
Flowerpot VP9(ポータブル)
使ってみて良かった点
1. シルエットが、とにかく美しい
これは名作の力でしょうか。横から眺めたときの全体のバランスが、本当に整っています。世に安価なリプロダクト(模倣品)が山のようにありますが、軸がずんぐりしていたり、傘が大きすぎたりと、どこかバランスを欠いている。本家のこの絶妙なバランスを見ると、さすが、と唸らされます。点灯時だけでなく、消灯時もオブジェとしてしっかり完成された存在感があります。
2. 携帯性が高く、取り回しが良い
コードレスなので、ベッドサイド、棚の上、テーブルの上と、シームレスに持ち歩いて使っています。場面ごとに明るさも変えています。演出用や寝る前のちょい使いでは一番暗く、読書灯としては中間から最大の明るさで。最大はかなり明るいので、手元の読書にも十分です。
私はつけっぱなしにしない使い方なので、充電は数ヶ月に一回で事足りています。もっとも、これは私の点灯時間が短いからです。主に寝る前、弱い設定で1日10分程度。つけない日もあります。たまに読書灯として長めに点灯することもあります。(なので「数ヶ月に一回」は、あまり参考にならないかもしれません…)公称の連続点灯時間は、私のV2なら最大の明るさで約5時間、33%で約18時間ほど。使い方次第で大きく変わります。
※最近のカメラは優秀で、補正されてどれも同じような写りになってしまうので、筆者が手動でなんとなく明るさ調整しましたので、正しい姿は店頭などでご確認ください
3. オパールモデルの優しく上品な光
オパールモデルのプラスチックのシェードが光を透過するので、灯りがやわらかく、演出性が高い。軸やベースの部分にも光が反射し、全体がふんわりと発光する設計には、計算され尽くした美しさがあります。
パンテラ×USM、これはビッグマック×コーラ、温泉×牛乳、レスポール×Marshallみたいなもんですよね
気になった点・正直なところ
名作とはいえ、気になる点もあります。正直に書いておきます。
ボタンの耐久性と黄ばみへの懸念:私のV2のベース部のオンオフボタンは、操作性そのものは問題ありません。ただ物理ボタンである以上、毎日使ううちにいつかへたるのでは、という不安は拭えません。さらにシリコン製なので、いずれ黄ばんでこないか、という気がかりもあります。どちらもまだ全く起きていない現象で杞憂かもしれませんが、ここはV3を選べる人がうらやましいところです。
操作コマンドが少し難しい:明るさを順番に切り替えるだけでなく、一気に消すなど、いくつか特殊な操作コマンドがあります。これを覚えるのが地味に難しい。(まあ、順番に押していけば済む話ではあるのですが…)
プラシェードは割れるリスクがある:光を透過する利点と引き換えに、シェードには割れる危険があります。交換用パーツはあり交換自体は簡単ですが、安くはありません。SNSで割ってしまった方の投稿を見ると、心がひゅっとなります。(その点、V3はより割れにくいポリカーボネートに変わっているのは朗報です。)
横から見た姿は、もう一歩:本来パンテラは、土台がすーっと地面に接するデザインです。ただ160 ポータブルは、バッテリーパックのために土台に円柱状の部分があります。元のパンテラの姿を知っていると、横から見たときに少しだけ不格好に感じます。一つサイズの大きい250 ポータブルや、電源コード付きの据え置きモデルにはこの円柱がなく本来の美しい姿をしているので、なおさら気になるところです。
土台の円柱がやややぼったい
土台の円柱がなく、スマートな形状
長く使えるか:バッテリーとLEDの交換について
長く使うつもりで買うとき、私が地味に気にしたのがここでした。充電式の照明は、いつかバッテリーがへたります。そのとき買い替えるしかないのか、それとも直せるのか、という点です。
結論から言うと、充電池は公式に交換できます。ルイスポールセンジャパンが有償で対応しており、購入した店舗を通じて依頼する形です(別途、往復の送料がかかります)。V1・V2・V3いずれも対応とのことで、これは長く付き合ううえで大きな安心材料でした。
一方、LEDについては少し注意が必要です。日本の公式サイトの「よくあるご質問」には「バッテリーおよびLED交換キットのご購入については、お買い求めの販売店にご相談ください」とあるので、交換が可能なのかもしれませんが詳細は明らかではありません。
もっとも、LEDの寿命はそもそも非常に長く、40000時間とも言われます。24時間点灯していても4.5年は持つ計算で、実質半永久的としてもよいでしょう。現実的には、LEDより先にバッテリーがへたるはずです。そのバッテリーを公式に交換できるのですから、「へたったら終わり」ではなく「直しながら長く使える」と考えてよいと思います。使い捨てになりがちな充電式ガジェットの中では、これはうれしいポイントです。
どんな人におすすめか
機能や明るさだけで照明を選ぶ人には、正直おすすめしません。コスパという物差しだけで見れば、決して安い買い物ではないからです。IKEAをはじめ、安価に通常使用には問題のないポータブルライトを提供しているブランドはたくさんあります。
ただ見方を変えれば、照明の名門ルイスポールセンのアイコニックな名作を、比較的手に取りやすい価格で導入できるとも言えます。名作がひとつ部屋にあるだけで、小さくても存在感があり、空間の垢抜けにつながります。ある程度の時間は点灯できるので、非常時の備えとしても多少は心強い。光のちらつきもありません。
これから新品で買うなら、物理ボタンの耐久性と価格の面で現行V3が無難でしょう。一方、ワイヤレス充電にこだわるなら、あえてV2を探すのもありだと思います。また、私のように、インテリアに興味が出てデザイナー家具に手を出したいという方には、最適解の一つだと自信を持っておすすめできます。
まとめ
パンテラ160 ポータブルは、半世紀を超えて愛される名作を、現代の暮らしに気軽に持ち込める一台です。
同じく「名作を長く使う」という観点では、ダイニングで愛用しているHIROSHIMAアームチェアのレビューもあわせてどうぞ。
パンテラが生まれたデンマークには、「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉があります。これは「普段の生活における快適さや、心地よさ」を表す言葉です。日照時間の短いデンマークでは、この「ヒュッゲ」のために照明器具の果たす役割が大きく、多くの名作照明が生まれたとされています。
まさにこのパンテラも、日常生活に寄り添い心地よさを提供してくれる、「ヒュッゲ」の概念が体現された逸品であると感じます。この記事を読んでくださった皆様にも、ぜひパンテラ ポータブルと共に生活し、灯りをつけるたびに少し満たされるこの感覚を味わってほしいと思います。
私は今後とも、真鍮トップナットの経年変化を楽しみに、長く付き合っていくつもりです。


