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イサム・ノグチ AKARI 1N をスマート化——Philips Hue スマート電球レビュー|AKARIを”本物の提灯”にする裏技

イサム・ノグチ AKARI 1N をスマート化——Philips Hue スマート電球レビュー|AKARIを”本物の提灯”にする裏技

先に結論

  • Akari 1Nの付属電球はスマート化できるか(E26・40W形)
  • スマート電球とスマートプラグ、どちらを選ぶべきか
  • Hue電球でどこまで暗くできるか・発熱や火事は大丈夫か
  • 提灯と相性抜群の「蝋燭のゆらぎ」エフェクトの魅力
  • Hue導入の費用感と、他社電球で安く済ませる抜け道

Akariの明るさや色みをスマホ・声で調整したい人、他のスマート照明とまとめてAkariも一括管理したい人、和紙の提灯で蝋燭の揺らぎを安全に味わってみたい人におすすめです。

イサムノグチのAKARIを購入した話は先の記事に書いたとおりですが、このAKARIシリーズには、シェードに合わせた電球が一つ付属します。私も届いた箱から取り出して、そのまま点けてみました。やわらかい灯りで悪くないのですが、一つだけ物足りない点がありました。この電球、スマホからも声からも操作できない、ただの電球だったのです。

当時、私は既にHueブリッジとNature Remoを軸としたスマート照明環境を構築しており、Alexaへの呼びかけだけで部屋中の照明を自在に操れるようになった、非常に快適な状態でした。もう電源ボタンとは無縁の生活を手に入れていました。そんな中で、AKARIだけがスマート化されておらず、わざわざコード中腹にあるスイッチを都度ON/OFFしにいかなければいけないのは耐え難き苦痛だったのです。せっかく手に入れたAKARIを、このせいで使わなくなる危険性さえありました。そんな事態を回避するために、当然の帰結としてHue化することを決意したのです。

この記事では、AKARI 1NをHueのスマート電球でスマート化した実際を書いていきます。付属電球の素性、電球とスマートプラグどちらを選ぶか、明るさや発熱の実際、そして一番のお気に入りである蝋燭の"ゆらぎ"まで。AKARIそのものの魅力や選び方は姉妹記事にまとめたので、そちらへどうぞ。

AKARI×Hue
AKARI×Hue

AKARI 1Nの付属電球はスマート化できる?

まずは付属電球の素性から。AKARI 1Nに付いてくるのは、40ワット形(485ルーメン相当)のE26電球です。口金は一般的なE26なので、家庭用の電球がそのまま付きます。ここが後々効いてきます。

ただ、この付属電球そのものは単なるLED電球でスマート対応ではありません。スマホや声で操作したければ、電球を交換するか、別の仕組みを噛ませる必要があります。裏を返せば、シェードと金属の足はそのままに、電球だけ入れ替えれば済むということ。これがAKARIをスマート化するときの基本方針になります。

イサムノグチ AKARI 1N

イサムノグチ AKARI 1N

2つの方法:スマート電球かスマートプラグか

照明をスマート化する手段は、大きく二つあります。一つはスマート電球に差し替える方法。もう一つは、コンセントとのあいだにスマートプラグを噛ませて、通電のオン・オフごと制御する方法です。

私はAKARIには前者、スマート電球を選びました。理由は二つあります。一つ目は、明るさを細かく調整できること。プラグ方式は基本的にオン・オフしかできませんが、スマート電球であれば輝度も色みも自在です。2つ目は、他の照明とまとめて一つのアプリで管理できること。我が家ではリビングのいくつかの照明をHueブリッジで束ねているので、組み込める余地のあるものは積極的に組み込んでいきたかったのです(このシステム全体の話は長くなるので、また別記事で書きます)。

では、スマートプラグはどんなときに使うのか。向くのはそもそも光源を交換できない照明です。私の持っているIKEAのヴァルムブリクスト(VÄRMBLIXT)は、LEDが本体に組み込まれていて電球を抜けません。こういう照明は、プラグ側で通電を切るしかない。押しボタン式の扇風機のように、そもそも電球ですらない家電を定刻でオン・オフしたいときも、プラグの出番です。

つまり、電球を替えられるならスマート電球、替えられないならスマートプラグ。AKARIは前者に当てはまるので、素直に電球を選べばよい、ということになります。


項目スマート電球スマートプラグ
電源操作○ できる○ できる
明るさ調整○ できる
色み調整○ できる
向いている照明電球を交換できる照明光源一体型の照明
AKARIとの相性

私が選んだHue電球:ホワイトグラデーションの800(今は1100が後継)

私がAKARIに入れているのは、Hueのホワイトグラデーション(ホワイトアンビアンス)800ルーメン、E26というモデルです。Hueには1600万色のフルカラー機もありますが、これは色そのものは変えられず、電球色から昼白色までの"色温度"だけを調整できるタイプ。提灯に極彩色は要らないので、私にはこれで十分でした。(だって、七色に光るゲーミングAKARIとか、あんまり想像できないでしょう…?)

一つ断っておくと、私の使っている800ルーメンのモデルは日本ではすでに廃盤で、今は1100ルーメンの後継モデルに置き換わっています(色温度1,000〜20,000K、電球色寄りで点けると800ルーメンほどの明るさ)。これから買うなら後継の1100のほうになります。最大輝度は明るくなりますが、機能や口金などは同じなので、以下の話はそのまま当てはまると思います。

装着はE26なので何の問題もありません。Hueの電球は少し背が高いのですが、AKARI 1Nのソケットにはすんなり収まりました。

色みは、ほぼ電球色に固定して使っています。白っぽい昼白色にもできるのですが、それをやると提灯の風情がすっと抜けてしまう。和紙を通すと光はいくらか黄色く色づきますが、これはむしろ狙いどおりで、より和紙らしい温かみが出ます。色温度を自在に変えられる電球なのに、結局いちばん暖かい電球色でしか使っていない…。器用貧乏、とまでは言いませんが、少しばかり宝の持ち腐れではあります(笑)。

白色灯 悪くはないが…
白色灯
悪くはないが…
電球色 やはりこっちでしょう
電球色
やはりこっちでしょう

口金E26
明るさ1100ルーメン(後継モデル)
最小輝度1%
ゆらぎ機能Hueブリッジ必須

Philips Hue スマート電球 E26 ホワイトグラデーション(75W相当・1100lm)

Philips Hue スマート電球 E26 ホワイトグラデーション(75W相当・1100lm)

何ワット?どこまで暗くできる?発熱・火事は大丈夫?

スマート電球を検討する人が気にするのは、たいてい明るさと安全性でしょう。この二つについて、私の実感を書いておきます。

まず調光です。Hueは公式アプリで輝度1%まで絞れます。1%というのは、豆電球よりさらに暗い、ほのかな灯り。つけたまま寝ても気にならないくらいまで落とせます。値が張るだけあって、暗くしたときのちらつきも私の目には感じられません。安い調光電球にありがちな、絞ったときの細かい明滅が、少なくとも私には見えないのです。

発熱についても触れておきます。AKARIの場合、LEDの光る部分は和紙のシェードの奥にあって、そもそも手で触れません。その光源部自体は、ほとんど熱を感じない程度です。一方で、ソケットと光る部分の間、Hueだと白い胴の部分(本記事1枚目の画像のHueと書かれている部分です)は、電波を受け取る回路が入っているためか、多少の熱を持ちます。ただ、火事を心配するようなレベルではありません。

それでも不安なら、対策はシンプルです。名の知れたメーカーを選ぶこと。素性のわからない激安電球より、Hueのように実績のあるブランドのほうが、この手の安心は買えます。照明は毎日つけっぱなしにするものですから、ここはケチらないほうがいい、というのが私の考えです。

Hueアプリ 輝度は1%まで落とせる 色温度も明るさも思いのまま
Hueアプリ
輝度は1%まで落とせる
色温度も明るさも思いのまま

AKARI × Hue 最大の魅力:AKARIを”本物の提灯”に回帰

ここからは少し、理屈より情緒の話をさせてください。私がAKARIをHue化してよかったと最も感じているのは、この一点に尽きます。

提灯の中は、かつて火でしたよね。岐阜提灯がそうであったように、和紙のシェードの内側では、もともと蝋燭の炎が揺れていたはずです。風でもないのにゆらりと動き、濃くなったり淡くなったりするあの灯り。火を見ていると人の心が落ち着くのは、理屈より前に、体に染み込んだ何かなのだと思います。

LEDは、その点でとても優秀な光です。火事の心配がなく、発熱も少なく、寿命も実質気にしなくていい。ただ、あまりに静かで、揺らがない。均一で、完璧で、そして炎ではない。安全と引き換えに、あの"ゆらぎ"だけがすっぽり抜け落ちてしまったわけです。

ここでHueの出番です。Hueには、蝋燭の炎を再現する"キャンドル"エフェクトがあります。オンにすると、電球色の光が濃淡と明るさを細かく変えながら、まるで炎が息をするようにチラチラと揺れはじめる。しかも火は一切使っていない。火事の心配も、蝋を溶かす手間もないまま、炎の揺らぎだけを取り戻せる。これが和紙の提灯と組み合わさったときの効果は、ちょっと言葉にしづらいものがあります。さらに、この機能は電球が丸見えではないからこそ生きるのです。シェードによって光源が隠れているからこそ、そこに火の存在を幻視できるのです。

私は普段、このモードはオフにして、ただの調光電球として使っています。けれど、少し疲れて何もしたくない夜には、キャンドルモードをそっとオンにする。和紙越しにゆらめく灯りをぼーっと眺めたり、その脇で本を読んだり。火を眺めているようで、火ではない。安全な炎、とでも言うべき時間が、部屋に生まれます。

一つ実務的な注意を。このキャンドルエフェクトを使うには、Hueブリッジ(後述)が必要です。スマホと電球を直接つなぐBluetoothだけの運用では、こうしたダイナミックな演出は基本的に使えません。揺らぎ目当てにHueを入れるなら、ブリッジ込みで考えてください。

わかりにくいですが、揺らいでいるのがわかりますでしょうか(実物はもうちょっとちゃんと火っぽいです)
わかりにくいですが、揺らいでいるのがわかりますでしょうか(実物はもうちょっとちゃんと火っぽいです)

正直な短所と注意点

良いことばかり書いてきたので、気になる点も正直に書いておきます。

まず値段です。いまいちな点を一つだけ挙げろと言われたら、これに尽きます。私の場合、Hueブリッジが5,980円(2024年5月)、電球は廃盤の特価で2,980円(2024年7月)と、わりと安く導入できたほうでした。ただ今は全体的に値上がり傾向で、同じ構成をこの値段で揃えるのは難しそうです。とはいえ、ブリッジは一度買えばずっと使い回せます。スマート照明を本気で運用するつもりなら、ここは思い切って買ってよい出費だと思います。

次に、これがいちばん大事な注意点です。スマート環境をまったく作らない人にとって、Hue電球は"ただの高い電球"になってしまいます。アプリで操作する、時間で自動化する、他の照明とまとめて動かす。そうした使い方があって初めて、この電球は本領を発揮します。逆に「点けて、消す」作業が苦にならないなら、付属電球で何の不足もありません。ここは向き不向きがはっきり分かれる部分です。

あとは最初の設定の手間くらいでしょうか。ブリッジをルーターにつなぎ、電球を登録し、アプリで部屋やシーンを作る。慣れれば何ということはないのですが、機械が得意でないと最初の一歩は少し腰が重いかもしれません。裏を返せば、面倒なのは電球選びと初期設定だけ。動き出してしまえば、あとは驚くほど手がかかりません。

最後に、費用を抑える抜け道を一つだけ。HueはZigbee(ジグビー)という無線規格を使っていて、実は同じ規格の他社製電球もHueブリッジで動かせます(設定は少しだけ面倒です)。私もIKEAのトロードフリ(TRÅDFRI)を何球かHueブリッジで運用中です。ここぞという場所はHue、価格優先の場所は他社、という使い分けができるわけです。ただしキャンドルなどのエフェクトはHue純正の電球でしか使えず、色味も純正同士と比べると微妙に違います。この使い分けの詳しい話は、Hueブリッジを軸にした別記事で改めて書くつもりです。

AKARIのスマート化はこんな人におすすめ/向かない

ここまでを踏まえて、AKARIのスマート電球化が向く人・向かない人を整理します。向いているのは、次のような方です。


  • AKARIの明るさや色みを、スマホや声で細かく調整したい人
  • すでに他のスマート照明があり、AKARIもまとめて一括管理したい人
  • 和紙の提灯で、蝋燭の"揺らぎ"を安全に味わってみたい人

逆に向かないのは、照明個別のON/OFFを都度人力で行うことに抵抗がない人です。その使い方なら、付属電球のままで何も困りません(とはいえ、一度騙されたと思ってスマートホームの便利さを味わってみてもらいたいとは思いますが)。

まとめ

AKARI 1Nは、電球を替えるだけで驚くほど表情が増えました。1%まで落とせる調光、電球色の温かみ、そして何より、和紙越しに揺らぐ蝋燭のエフェクト。名作照明のシェードはそのままに、中身だけ現代の技術でアップデートしたことで、むしろかつての表情を取り戻した、という面白い事態になりました。

AKARIそのものの来歴や選び方、和紙のデメリットについては姉妹記事に書きました。あわせてどうぞ。

今回は電球一つの話に絞りましたが、我が家ではリビングの複数の照明をHueで束ねて、声と時間で動かしています。その家全体の仕組みは、また別の記事でまとめるつもりです。

火を使わずに、火の揺らぎだけを部屋に灯す。かつて提灯の中で燃えていた炎を、現代の技術でそっと呼び戻すような——AKARI 1NのHue化には、そんなささやかなロマンがあるように思います。

AKARI本体をこれから買う方へ、一つだけ。通販ではリプロダクト(模倣品)が正規品より安く、上位に出てくることがあります。買うなら正規取扱店で。詳しくは1Nのレビュー記事に書きました。

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イサムノグチ AKARI 1N

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Philips Hue スマート電球 E26 ホワイトグラデーション(75W相当・1100lm)

Philips Hue スマート電球 E26 ホワイトグラデーション(75W相当・1100lm)

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