橋本義肢製作 フェルトデスクマット長期レビュー|2年7ヶ月使って、へたりも毛玉も出なかった

先に結論
- 2年7ヶ月使ったフェルトデスクマットのへたり・毛玉・毛羽立ちの実際
- 標準・大判・コンパクトのサイズの選び分けの考え方
- 汚したときにどうしたか(部分的に水で流した実例)
- 滑る・字が書けない・食事しにくいという短所と、その逃がし方
- グレーとホワイトのどちらを選ぶか
羊毛のデスクマットが何年もつのか知りたい人、橋本義肢製作のデスクマットを買うか迷っている人、どのサイズを選べばいいか決めかねている人、Grovemadeの価格でためらっている人、キーボードの打鍵音や手首の当たりが気になっている人におすすめです。
羊毛フェルトのデスクマットを導入してから、2026年9月で2年7ヶ月が経ちました。橋本義肢製作という岡山のメーカーが作っているもので、購入日は2024年2月18日です。
羊毛のマットで気になるのは毛玉やへたりだと思います。私も買う前はそこが引っかかっていました。4,800円は捨て値ではありませんし、1年でヘタヘタになるなら選ぶ意味がありません。
結果を先に書いてしまうと、へたりはほとんどなく、セーターにできるような大きな毛玉は一度も出ていません。変化らしい変化はヘリの毛羽立ちだけで、あまり気になるほどではありませんでした。
2年7ヶ月経った今の状態とサイズの選び方、それに正直に書いておきたい短所まで順に書いていきます。
橋本義肢製作 フェルトデスクマット
橋本義肢製作は義肢や装具を作っている会社で、このデスクマットも同じ工場で職人が1点ずつ手作りしています。羊毛を80%以上使ったフェルトで、日本製。私が買ったのはグレーの標準サイズです。
でもそもそもなんで義肢メーカーがデスクマットを?と思いませんか。私は思いました。調べてみると、義肢の装着部とのクッションや、当たりの調整のためにフェルトが使われているそうなのです。義肢は毎日肌に長時間あたるものですから、クッション部分を担う素材は人体に優しく、吸湿性などもよい必要があります。本来その用途で使われているフェルトと同じ素材を使って、同じ技術者の方が100%手作業で作られているらしいです。
橋本義肢製作 フェルトデスクマット(グレー・330×830mm)
なぜ橋本義肢製作を選んだのか
フェルトのデスクマットを探して最初に候補になったのはGrovemadeでした。アメリカのブランドで、デスク関連のアイテムでは一番名前が知られていると思います。ただ値段を並べてみると、橋本義肢製作のもののほうが圧倒的に安い。これが一つ目の決め手でした。(両社とも価格は動くので、比べるときはそれぞれの現在の値段を見てください。)
二つ目はレザーのワンポイントです。フェルトの端に小さなタグが付いていて、これが単純に可愛い。機能とは何の関係もありませんが、毎日目に入るものなので、こういう控えめな魅力があるのは良いことです。ちなみに位置は少し違いますが、Grovemadeのものにもよく似たレザータグがあります。
三つ目は義肢を作っている会社なら肌触りも悪くないだろう、という期待でした。フェルト、というかウールといえば多かれ少なかれチクチクするもの。しかし、肌に当たることを想定した素材であれば、チクチク感が少ないものであることに期待ができます(厳密には義肢をつける際には、義肢用の靴下のようなものを履いてから義肢を装着するようですけども、それはそれ)。
グレーにした理由(本当はホワイトが好みだったが…)
見た目の好みだけで言えば、私はホワイトのほうが好きです。デスクが明るく見えますし、フェルトらしい質感も白のほうが出ると思いました。かなり肉厚でもこもことした質感が、商品写真を見るだけで伝わってくるよう。
それでもグレーにしたのは腕と手を置き続ける場所だからです。長く使えば黄ばむだろうし、何かこぼしたら白は一発でアウトになる。そう考えて、好みのほうを諦めました。
この判断が正しかったと分かるのは、買って2年ほど経った頃です。後述します。
2年7ヶ月使った今の状態:へたり・毛玉・毛羽立ち
へたりはほとんどない
毎日体重が乗るのは、手前の腕を置くあたりとキーボードの下です。へこむとしたらこの2箇所ですが、2年7ヶ月経った今もへたりはほとんどありません。
もちろんノギスとかで厳密に測ったわけではないですが、視覚的にも体感的にも、沈み込んでいるように感じられる場所は少なくともありません。そもそも羊毛を5mm分ぎゅっと固めたものです。潰れる余地が少ないのだと思います。
毛玉は不思議と出ない
これは意外でした。2年7ヶ月使って、セーターでイメージするような大きな毛玉は発生した覚えがありません。次の項の2枚の写真のうち左の写真に写ってるようなのが最大級の毛玉になります。非常に密度の小さな毛玉です。特にセーターなら擦れる場所から毛玉ができるので、腕が当たり続ける手前側は真っ先にダメになるだろうと思っていました。
理由は分かりません。フェルトは繊維を絡ませて板状にしたものなので、糸のように繊維が引き出されにくいのかもしれません。ただこれは素人の推測です。
ヘリからフェルトが少し毛羽立ってくる
唯一の経年変化がこれです。マットの縁から繊維が少しずつはみ出してきて、毛羽立ちます。気づいたときに指でむしって取っています。
気になる人は「むしっていたら痩せるのでは」と思うかもしれません。2年7ヶ月むしり続けて、マットが小さくなったり縁が薄くなったりする気配はありません。出てくるのは表面に浮いた繊維だけのようです。
一度だけ洗った話:研磨剤をこぼした
こぼしたのは2026年の初夏、買って2年と少し経った頃のことです。ギターのフレット(金属部分)を磨く研磨剤があります。ペースト状のものですが、久しぶりに開けたら中身が劣化して液状になっていて、勢いよく飛び出しました。当然のようにマットの真ん中です。
汚れよりも困ったのは臭いでした。そのまま使う気になれず、洗うことにしました。
やったのは汚れた真ん中の部分だけを水道の流水でじゃーっと流すという方法です。石鹸は申し訳程度に付けて、また流しました。全体を濡らしてはいません。そのあと丸二日ほど干して、元に戻しました。
結果は、臭いは多少薄まり、色の変化は全く無し。部分的に濡らしたので、そこだけ縮んで引きつれるかとも思いましたが、それも起きませんでした。ここでようやく、グレーにしておいてよかったと心から思いました。
ただ、これをもって「洗えます」と言い切るつもりはありません。私がやったのは丸洗いでも洗濯機でもなく、汚れた一部分に水を流しただけです。メーカーが洗濯を認めているかどうかも確認できていません。汚したときは全体を洗おうとせず、おそらくその場所だけを流すほうが安全だと思います。でも一部だけ洗ったら縮んだという話も読んだことがあるので、私の場合は内陸部分のみを濡らしたからことなきを得たのかもしれません。
サイズはどう選ぶか:決め手はデスクの幅ではない
現在のラインナップは4種類です。
| サイズ・色 | 価格 |
|---|---|
| グレー・標準(330×830mm) | 4,800円 |
| ホワイト・標準(330×830mm) | 4,800円 |
| グレー・大判 | 6,700円 |
| グレー・コンパクト | 3,800円 |
(2026年9月10日に商品ページで確認した価格です。変わることがあるので、買う前にご自身で確認してください。)
なお、値段は買う店によって変わります。私が確認した限りでは、メーカー公式ストアが出しているAmazonがいちばん安いようです。
私が買った2024年2月には標準サイズの2色しかなく、大判とコンパクトは後から増えたようです。ただしこの追加2サイズにはホワイトはなく、現状グレーのみです。今回書くために調べていて初めて気づきました。小さいほうの選択肢があるのは良いことだと思います。
マットに何を載せるかで決まる
デスクマットの選び方として「デスク幅の8〜9割」という目安をよく見ます。私のデスクはニトリのNトリシアで、幅120cm・奥行き約60cm。そこに830mmなので7割弱です。
実感としても、ちょうどいいと言って問題ないと思います。程よい余白が左右にあるので。
私が標準サイズに載せているのはマウスとフルサイズのキーボード、それに左手デバイスが2つ(Magic TrackpadとElgato Stream Deck Scissor Keys)。これを横に並べてちょうど収まります。デスクの幅からではなく、載せるものから逆算するほうが外しません。
逆に言えばHHKBのようなテンキーレスのキーボードとマウスだけなら、標準サイズは多分大きすぎます。その場合はコンパクトで足りるのではないでしょうか。ということで実際に置いてみましたが、この構成でも左手デバイスを使うのであれば標準サイズにやはり利があると思います。
※大判とコンパクトは持っていません
正直に線を引いておきます。私が持っているのは標準サイズだけで、大判とコンパクトの使用感は書けません。ここから先は標準を2年7ヶ月使った人間の推測として読んでください。
大判は単純に天板が大きい人向けだと思います。ただ一つ気になるのはマットの上で紙に何か書きたい人です。フェルトの上では字が書けないので、書くときはマットを奥へ寄せて手前を空けることになります。奥行きのある大判をずらして、なお手前に書けるだけの空間が残るかどうかはかなりデスクを選ぶ気がします。
紙に書く作業が日常的にある人なら、標準サイズのほうが攻守ともにバランスが良い。それが私の結論です。
正直に書いておきたい短所は3つ
1. 滑る
裏に滑り止めが付いていません。天板との相性次第では、タイピングのたびに少しずつ位置がずれていきます。私はカットできる滑り止めシートを下に敷いて止めています。
2. 上から字が書けない
フェルトなので当然ですが、マットの上に紙を置いてペンを走らせると下が沈んで書けません。ノートを取る、書類にサインをする、といった作業はこの上ではできません。
3. 上でご飯が食べにくい
フェルトは拭いて済ませられる素材ではありません。汁物をこぼせば染みますし、パンくずのような細かいものも表面に残ります。デスクを食卓兼用にしている人には、正直おすすめしません。
ただ、後ろの2つには共通の逃げ道があります。マットごと奥にスライドさせて、手前に天板を出してしまえばいい。字を書くのも食事も、空いた天板の上でやればできます。1つ目に挙げた「滑る」という短所が、ここでは長所となるわけです。
もっとも、これには天板の奥行きが要ります(私のデスクはニトリのNトリシアで、幅120cm・奥行き60cmです)。それに私自身は滑り止めシートで固定してしまっているので、この逃げ方は使えません。固定して動かさないか、滑るまま動かせるようにしておくか。そのデスクで何をするかによると思います。
羊毛だから気になること:チクチク・夏の暑さ・打鍵音
羊毛と聞いて気になるのは、なんと言っても私も前述した通り、チクチク感だと思います。私の場合、全く無いわけではありませんが、(期待通り)思っていたほど気になりません。そしてこの感じ方は買った当初からほとんど変わっていません。慣れて麻痺したのではなく、最初からその程度だったということです。
肌の弱さには個人差があるので、そこは保証できません。ただ2年7ヶ月使って、腕が痒くなって困った日はありませんでした。ちなみに私はかなり肌が弱い方の人間です。
夏はどうかというと、腕が当たるところが暑くなるのではないかと買う前は思っていました。羊毛のマットに手を置いて過ごす夏を、あまり想像できなかったからです。これが意外と、そんなことはありませんでした。3回の夏を越えましたが、腕がべたついて不快だった記憶はありません。
ただしエアコンで適温に保たれた部屋での話です。いるだけで汗が出るような部屋なら、接している部分は当然もっと汗をかきます。それはマットの性能というより、部屋の問題だと思いますが。
打鍵音については、キーボードの音が明らかに静かになります。5mmのフェルトが下にあるぶん、天板に響かなくなるのだと思います。騒音計で測ったわけではないので数字は出せませんが、体感でははっきり分かる差です。それに伴って、打鍵感もややソフトになっている気がします。底打ち感が多少和らいでいるのかもしれません。
マウスの滑りも良く、マウスパッドを別に置く必要がありません。私が使っているマウスについてはMX Master 3SとMX ERGO Sを比べた記事に書きました。
丸まって届く癖は、広げておけば伸びる
マットはくるくる丸めた状態で届きます。広げても最初は端が浮いていて、癖が付いたままです。私は一晩、物干し竿に掛けて自重で伸ばしました。ただ正直なところ、そこまでしなくても広げて置いておけば伸びると思います。
商品ページには、スチームアイロンを当てると数日かけて癖が取れるという案内もあります。急いでいるならそちらのほうが確実でしょう。
向く人・向かない人
向いていると思う人
- キーボードとマウスを天板に直置きしていて、打鍵音や手首の当たりが気になっている人
- フェルトのデスクマットに興味はあるが、Grovemadeの価格でためらっている人
- 消耗品ではなく、何年も使うものとして買いたい人
向かないと思う人
- デスクを食卓としても使っている人
- マットの上で紙に書く作業が多く、マットを奥へ逃がす余裕もないデスクの人
- ウールのチクチクが明確に苦手な人
まとめ:2年7ヶ月使って、不満はない
2年7ヶ月使った結論を書くと、へたりはほとんどなく、毛玉は大きいものは出ず、変化と言えるのはヘリの毛羽立ちだけでした。その毛羽立ちも、むしっているうちにマットが痩せていくようなものではありません。今のところ不満点はありません。
4,800円を2年7ヶ月で割ると、1ヶ月あたり155円ほどの計算になります。しかも、まだ終わりが見えません。
デスク周りの環境については他にも書いています。ドッキングステーションを選び直したときの話はCalDigit TS5 Plusの記事にまとめました。
橋本義肢製作 フェルトデスクマット(グレー・330×830mm)




